冬至とかぼちゃの関係

 

かぼちゃ供養,葬送,寺院

「かぼちゃ供養」という供養の形もあります

冬至にはかぼちゃを食べて柚子湯に入る習慣があります。地域によってはこんにゃくを食べたり、小豆を食べたりするところもあるでしょう。

昔は冬の間は野菜類の収穫が難しかったでしょうから、カロテンやビタミンを多く含むかぼちゃは、緑黄色野菜が少ない冬に備えて保存がきく貴重な食材だったと思われます。

(中風とは、「ちゅうふう」「ちゅうぶ」「ちゅうぷう」「ちゅうふ」などと呼ばれ、医学的には脳血管障害、つまり脳出血や脳梗塞による後遺症のことを指します)

他に、冬至は「最も死に近い日」とされ、その厄を払うために食べられていたとか、「運盛り」といって、運がよくなるように食べていた(かぼちゃの別名は「南京(なんきん)」等の言われもあるとか、かぼちゃが食べられるようになったのには諸説あります。

とはいうものの、冬至の日にかぼちゃを食べる慣習は、江戸時代の記録にはあまりみられず、明治以降に急速に全国的に広まったそうですから、平成になってハロウィンイベントが急速に広まったように、何かきっかけがあったのかもしれません。

「かぼちゃ供養」を行う寺院も

 

さて、冬至と関係が深いかぼちゃですが、「かぼちゃ供養」が行われている寺院が各地にあることをご存知でしょうか。

例えば、京都の矢田寺では、大きくなりすぎて置き場がなくなったカボチャを寺が引き取ったことがきっかけで始まったというかぼちゃ供養が行われたというニュースがありました。寺町三条通の商店街の中、お店の中に突如現れるお寺はの本堂前には大きなかぼちゃがお供えされ、参拝者は無病息災を願ってさすります。その日、約1000食のかぼちゃ煮が振る舞われるのですが、朝早くから商店街のアーケードには列ができ、30分待ちはあたりまえだとか。

参考:http://www.teramachi-senmontenkai.jp/topics/kabocha.html

 

かぼちゃ供養は、冬至ならではのイベントかと思いきや、夏に開催する寺院もありました。

ひょうたんの形をしている一風変わった「鹿ケ谷南瓜」という種類のかぼちゃを振る舞うのが、京都安楽寺のかぼちゃ供養。江戸時代中期に安楽寺の住職・真空益髄上人が、ご本尊の薬師如来より「夏の土用の頃に、当地の鹿ケ谷南瓜を振る舞えば中風にならない」というお告げを受け振舞ったことにはじまり、こちらは江戸時代中期ごろから220年も続いている伝統行事だそうです。

 

参考:http://anrakuji-kyoto.com/archives/6036

因みに、神社でも冬至の日にかぼちゃを奉納する行事を行っているところがあります。

大阪の生根神社では「こつま南瓜まつり」が行われ、お祓いしたカボチャを境内で蒸しあげて振る舞われるそうです。

参考:http://www.ikune.net/kotuma.php?top=6&moji=2&top3=1