実験に使った害虫を戸村「虫供養」

 

虫供養│供養コンシェルジュ協会冬至にかぼちゃ供養が行われる神社・寺院があることは前回書きましたが、年末になってほかにあちらこちらで「供養祭」が行われたというニュースが入ってきました。

たとえば、アース製薬(東京)では、研究所のある兵庫県赤穂市、実験に使った害虫を弔う「虫供養」が行われたそうです。

 

”アース製薬(東京)は25日、実験に使った害虫を弔う「虫供養」を兵庫県赤穂市坂越の妙道寺で執り行った。蚊やゴキブリ、ネズミなどの「遺影」を並べた本堂で研究員ら約100人が手を合わせた。

同社によると、坂越工場敷地内の研究所では、ゴキブリ約100万匹やダニ1億匹以上のほか、クワガタムシなど約100種類の生物を飼っている。殺虫剤などの効果を調べるため、犠牲になった生物に感謝しようと30年以上前から供養を続ける。

読経が流れる中、参列者は順次焼香した。同社研究部の藤島直樹係長(41)は「生物に感謝し、命の大切さを改めて考える良い機会」と話した。”

引用:神戸新聞NEXT

 

調べてみると、虫供養を行っているところは他にもありました。殺虫剤など創薬に関わる研究開発の途上や、圃場での病害虫防除実施により殺滅した昆虫の冥福を記念し、合わせて業界の発展を祈願する恒例行事が東京・浅草寺で行われています。

また、6月4日の「虫の日」に合わせて行われているのは神奈川県鎌倉市の古刹、建長寺。境内に虫籠をモチーフにした虫塚のモニュメントが2015年に完成したのを記念して、以来、毎年虫供養が行われています。

 

地域の行事として虫供養が定着しているところも

 

虫供養│供養コンシェルジュ協会こられの虫供養は、近年行われるようになったものですが、民俗信仰行事として語り継がれている虫供養もあるようです。

 

例えば、千葉県長生郡岩沼町では、虫供養の碑がありますが、これは江戸から明治にかけて、篭に入れた虫が盛んに売られるようになり、岩沼は東京下町の問屋に昆虫をおろす産地となっていたことから、百虫の精霊を慰めるために1923年(大正12年)に建てられたそうです。

 

大がかりに行われるのが知多半島阿久比町の虫供養。 米作りや野菜作りで犠牲になった田畑の虫を供養するために念仏を行ったことがはじまりで、融通念仏宗の始祖である良人により広められ、平安時代終わり頃から阿久比でも行われるようになり約800年続いている民俗信仰行事だそうです。

大塔婆の下の砂山を小さい子供に踏ませると、「かんの虫封じ」になると言われ、健やかな成長を願う親子が多数訪れるとか。

https://www.youtube.com/watch?v=t1MiR2sontU

 

トゥーシューズ供養も

 

名古屋ではバレエ団によるトゥーシューズ供養も行われたそうです。

 

”名古屋市千種区の高牟神社で、バレエのトゥシューズの供養が行われました。

名古屋の松岡伶子バレエ団が、1年間、使用したシューズに感謝しようと行っていて、27日は、小学4年生から海外で活躍する団員まで、およそ50人が参加し、お祓いを受けた後、シューズを火の中に投げ入れました。

「トゥシューズは、一番使う物なので、ありがとうございましたという気持ちで(供養しました)」
(バレエ団員)

1年間に使用するシューズは、多い人で50足にも上り、参加者は、上達への願いを込めて手を合わせていました。”

引用:CBSテレビ

靴供養も浅草をはじめ、さまざまなところで行われています。

大切な人、モノを思う気持ちが供養なのだとつくづく思います。