福島県南会津郡檜枝岐温泉にある石像「橋場のばんば」さまは、
元々は村内の川に架かる橋のたもとにあり、水難から村の子どもを守る神様。
明治3年に村が大洪水に襲われた際、
ばんばさまが流されるのを心配した村民が背負って運び、
現在の鎮守神社への参道の途中に移されたそう。
欠けた前歯を出したえがお、額にしわを寄せ、片膝を立て、
腰を下ろしたユニークな姿が地域の人たちに親しまれている。
一方で、石像が移された後、悪縁を切りたい若者が、
石像にハサミを供えたことから縁切り信仰が始まったそうで、
良縁や仕事運など「縁結び」を願う人は錆びた切れないハサミを向かって右側に、
病気や腐れ縁など「縁切り」を願う人はスパッとよく切れるハサミを、
向かって左側に供えているという。
また、ばんばさまの頭にお椀のふたをかぶせると、
どんな願いも叶えてくれるとも言われている。