供養文化を次世代へつないでいくために

 

供養ってそもそも何?供養について考えてみましょう「供養コンシェルジュ」の認定資格講座では、「供養について考える」ところからスタートします。

 

「仏壇に手を合わせること」「お墓参りをすること」「(回忌、お盆、お彼岸等の)法要をする(参列する)こと」「お墓を建てること」等、さまざまな意見が飛び交い、自分はこれまで供養とどのように関わってきたかを自己覚知していきます。

 

では、そもそも「供養」というのはどのような意味があるのでしょうか。

供養は、供給(くきゅう)資養(しよう)の略

 

供養は、供給(くきゅう)資養(しよう)の略で、サンスクリット語の「塗る」「彩る」などを意味する「プージャナー」という言葉をを訳したものだそうです。

供給は、現代で使われている供給(きょうきゅう)とほぼ同じで、必要に応じてモノを与えること、を意味します。

資養については、「資」と「養」に分解して考えてみましょう。

「資」は「資源」のことをあらわしますが、この「資源」は人間の本質や資質を意味し、それを豊かに育み「養」っていくことが資養という言葉に表されているそうです。

 

私たちは葬儀に参列したり、お墓参りをしたり、仏壇に手を合わせるなど「供養」の場を通して、命について向き合ったり、故人との関係を再認識したり、そこに集まる人とご縁に感謝し、愛や慈悲を感じるものです。

 

つまり供養とは、お花やお香、供物など、お供えをする行為そのものが一番の目的ではなく、それによって自分自身の心を養うことを目的として行われるのではないでしょうか。

 

現在の日本では人だけでなく、針供養、人形供養、茶筅供養、動物供養、菊供養など、さまざまな供養が行われています。感謝の気持ちをカタチにあらわすことで、感情を整理したり、心が豊かになったり……、こうした供養文化をどのように次世代へつないでいくか、私たちが考えていかなければいけない課題だと思っています。

 

参考:新谷尚紀編、関谷まゆみ編「民俗小辞典『死と葬送』」吉川弘文館