先祖の霊を迎える「六道まいり」で知られる六道珍皇寺は、

今年は新型コロナウイルスの影響で、例年通りのお盆行事を中止すると発表した。

「六道まいり」とは、

平安時代この辺りが、墓所の鳥辺山の麓で、俗に六道の辻と呼ばれた京の東の葬送の地であったこと、

それはまさに生死の界(冥界への入口)であり、お盆には、冥土から帰ってくる精霊たちは、

必ずここを通るものと信じられた事に由来しているそう。

毎年8月7~10日に、先祖の霊を呼び戻すという「迎え鐘」を突いて水塔婆を納めた後、

コウヤマキを手に自宅に帰って先祖の霊を迎えるという。

特に、初盆を迎える家については、

「精霊が初めての里帰りで迷わないように必ず六道珍皇寺にお参りする」との習わしがあるそう。

故人の名を記した水塔婆の申し込みはインターネットで受け付け、寺で回向するそうで、

住職は、

「600年以上続く伝統の行事。形は変わっても歩みを止めることなく継続していきたい」

と話している。