大正13年生まれの94歳。

20歳で助産師の免許を取り、以来取り上げた赤ちゃんの数は4000人以上。

「赤ちゃんは自分で生まれて来る」。

だから助産師は文字通り、「お助けをするだけ」という。

 

94歳の女性の助産所には特別なものは何ひとつないという。

「お産は特別なものでなく、自然なもの」がポリシー。

そんな女性のもとに、妊婦や赤ちゃんの悩みを抱えた母親が、

まるでご近所のように次々訪ねて来る。

赤ちゃんの肌荒れや寝返りの悩み、夜泣き…

坂本さんはゆっくり親たちと話しつつ、時には物言えぬ赤ちゃんの声にも耳を傾けながら、

悩みを解決してゆくという。

 

94歳になった今も仕事を続けている。

「普通の人生のひとコマ」の出産を通して「いのちの言葉」を伝えている。